IHクッキングヒーターでも、べちゃっとしないチャーハンを作る

中華料理屋さんのチャーハンはご飯粒がぱらっとしている

漫画「おいしんぼ」の山岡士郎が、チャーハンは直火でお米の周りの油をとばすと、一粒一粒のご飯粒がぱらっとしておいしいチャーハンができるといっています…。たしかに、中華料理屋さんで食べるチャーハンは、ご飯粒をスプーンですくってもぱらぱらしてますもんね。これは、プロの中華料理屋さんのお話。

一般の家庭用ガスコンロでも、同様にできそうな気もしますが、わが家は IHクッキングヒーターなので、そもそも火が使えません。この時点で、ぱらっとしたチャーハンなんてつくれそうもないですね。

ぱらっと以前に、べちゃっとしてしまう

ぱらっとしたチャーハンは期待しないにしても、ぼくがチャーハンを作る時、べちゃっと粘り気がでてしまう時がよくあります。油っぽいだけでご飯粒が崩れてくれるならまだそれでいいですが、さすがに粘り気が出ちゃうと食感が悪いし、見た目からも食欲をそそりません。

ぼくの場合、「IHクッキングヒーターを使って、フライパンで頻繁に手返しが必要な料理が上手にできない問題」があり、このためチャーハンがべちゃべちゃした仕上がりになることが多いです。

IHクッキングヒーターとガスコンロの違い

ガスコンロでは、底が丸いフライパンが使えます。良い例が中華鍋で、チャーハンを作るのにはとても使いやすいですね。底が丸いので、手返しすると具材が踊るように混ざってくれます。

また、ガスコンロの場合、フライパンをコンロから離してもある程度の距離までなら火の熱が届くので、フライパンで手返ししている間でも具材に一定量の熱を通すことができます。

一方、IHクッキングヒーターでは、熱を発生させる仕組みに関連して、市販されているものは底が平たくて厚めのフライパンが多いです。また、フライパンをコンロ面から離すとコンロへの通電量が弱くなる設計なので、食材に熱を通す感覚がガスコンロと異なってきます。このためチャーハンのように頻繁に素早く手返しが必要な料理をつくるのに、かなりの慣れが必要になります。

ということで、たまにしか作らないチャーハンではべちゃっと失敗してしまうということですね。

チャーハンをべちゃっとさせてしまう原因分析

IHクッキングヒーターでチャーハンを作ってきた中で、何が原因でべちゃべちゃになったのか考えてみました。
  1. 熱を通しすぎる
  2. 具材の水気が飛んでいない
僕の場合、単純ですが、この2点が根本的な原因です。

ご飯をフライパンに投入して、途中までは良いのですが、ある時を境にして、ご飯を炒めるほどにべちゃっと粘り気が出てくるのがわかりました。具なしチャーハンを作った時に明らかになりました。

また、僕は最後の最後に卵を入れる派なんですが、途中まで上手くできていて、さあ卵と絡めていきましょうってところから、チャーハンが卵の水分を吸ってしまって、べちゃべちゃになってしまうときがありました。


IHクッキングヒーターでチャーハンをべちゃっとさせないためには

原因に対する施策を考えて、実行に移したところ、無事チャーハンがおいしくできるようになってきました。家族内での評判は上々です。

ぼくが実施した施策です。
  1. カインズホームのストーンマーブルフライパン 28cm を使う
  2. 一度に2人前までしか作らない
  3. ご飯を炒める時は、ラード(またはヘット)を使う
  4. 卵は、ほぼほぼ熱が通るまでご飯と混ぜない
  5. ご飯は高熱で、ごく短時間で一気に具材と混ぜる。

施策1:カインズホームのストーンマーブルフライパン 28cm を使う

近くのホームセンターで何年もかけて少しずつフライパンを買っては試してきましたが、やっと理想に近いフライパンに到達しました。カインズホームのストーンマーブルフライパン 28cmです。

このフライパンは、IHクッキングヒーター用のフライパンのなかでも、ある程度の深さがあって、ふちの形には程よい丸みがあり、かなり軽いので手返しがとてもしやいです。金属ヘラのエッジでガシガシ叩くと傷がついてしまいますが、普通に使うぶんにはフッ素樹脂加工の持ちも良いほうです。

具材をさっと混ぜ合わせるという点において、チャーハン作りの最強の味方です。


施策2:一度に2人前までしか作らない

というか、毎回一度に2人前しか作らないです。

2人前だと、卵1つ分が丁度良い量ですし、調味料の分量も作るたびに差がでにくいです。また、2人前の分量がフライパンで手返しするのに丁度良いです。3人前以上になると、ぼくとしては、手返し特訓が必要になってきちゃいます。


施策3:ご飯を炒める時は、ラード(またはヘット)を使う

実は、これが最近チャーハンが上手くできる隠れたポイントなのかもしれないです。
理由はわかりませんが、ご飯を炒める時に、サラダ油よりもラード(豚脂)やヘット(牛脂)を使った方が、ご飯粒一つ一つを脂でうまいことコーティングしてくれて、さらっとした仕上がりになります。

肉や生姜、ネギなどの具材をサラダ油で炒めた後に、余熱でラード(またはヘット)を溶かし入れます。入れる分量は、脂分がご飯全体に満遍なく行き渡るくらいで良いです。ぼくは市販のラードを使っているので、チャーハン2人前で小指一本分くらいの長さフライパンに投入します。

施策4:卵は、ほぼほぼ熱が通るまでご飯と混ぜない

以前にテレビで見たチャーハンの作り方で、「フライパンに投入する前に卵とご飯を混ぜてしまうやり方」と、「フライパンに卵を投入した後にご飯を投入して一気に混ぜるやり方」と、「フライパンに最後の最後に卵を投入するやり方」と、大きく3つのやり方を見たことがあります。

ぼくは、「フライパンに最後の最後に卵を投入するやり方」を実践していますが、卵の水分が中途半端に残っている状態で、ご飯と混ぜ合わせると大抵失敗してきました。

なので、最近では、ご飯にある程度熱を通したところで、ご飯をフライパンの半分側に寄せ、空いたもう半分のスペースに少量のサラダ油と溶かした卵を入れて、攪拌しながら一気に卵に高熱を通していきます。卵にほぼほぼ熱が通ったところを見計らって、一気にご飯と混ぜ合わせます。

施策5:ご飯は高熱で、ごく短時間で一気に具材と混ぜる

ご飯と具材を混ぜるのも、へらだけでまぜるのではなく、頻繁にフライパンを手返しした方が、具材が一気に混ざります。上記までの施策を実施することで、具材の混ぜ合わせがとてもしやすくなっています。

ここで、ポイントになるのが、IHクッキングヒーターの通電のON/OFFを頻繁に行うということです。ガスコンロの場合でも、調味料や具材を投入するたび毎に弱火にしています。これと同様なことを実施する必要があります。IHクッキングヒーターの熱量は巷で言われているほど弱くないので、ちょっとした時間で熱が通ってしまいます。

ぼくのチャーハン作りの手順

今後さらに改良していこうと思っていますが、今のところのぼくのチャーハン作りの手順です。なお、IHクッキングヒーターなので火はでませんが、わかりやすいように便宜上、中火、強火と書いてます。
  • フライパンにサラダ油投入。中火でフライパンを温める。
  • フライパンに生姜投入。中火で炒めてサラダ油に香りを移す。
  • フライパンに椎茸投入。中火で炒める。
  • フライパンに肉投入。中火で炒める。
  • フライパンに青野菜(ネギ、レタスなど)投入。強火で一気に炒める。
  • IHクッキングヒーターの通電OFF
  • フライパンにラード投入。余熱で溶かす。
  • フライパンにご飯投入。(冷や飯の場合事前にレンジで温めておく)
  • フライパンに塩、胡椒、鶏がらスープ粉末投入。
  • ヘラで、フライパンの中の具材を混ぜ合わせる。
  • IHクッキングヒーターの通電ON
  • 強火にして、フライパンを手返ししつつ、短時間で一気に具材に熱を通し、ご飯粒をほぐす。
  • IHクッキングヒーターの通電OFF
  • フライパンに、素早く醤油、オイスターソース投入。
  • IHクッキングヒーターの通電ON
  • 強火にして、フライパンを手返ししつつ、短時間で一気に味を絡ませる。
  • IHクッキングヒーターの通電OFF
  • フライパンの中の具材をフライパンの半分側に寄せる
  • フライパンの空いたスペースにサラダ油、溶き卵投入。
  • IHクッキングヒーターの通電ON
  • フライパンを少しずらして、卵に熱を集中させつつ強火で一気に卵に熱を通す。
  • フライパンをもとに位置に戻す。
  • 強火のまま、フライパンを手返ししつつ、短時間で一気に全体の具材混ぜ合わせる。
この手順でチャーハンを作るようになってから、中華料理屋さん程ではないですが、ご飯粒がぱらぱらとくずれるようになりました。今の所、一度もべちゃっとした粘り気が出たことがありません。

とにかく、フライパンにご飯を投入したら、ご飯に熱を通す時間が短くなるように、しかし、強火(高熱)で大胆に炒めます。


備考:IHクッキングヒーターの使い方

IHクッキングヒーターを使い初めのころは、フライパンをヒーターから離すことなく、ヘラだけで中の具材をかき混ぜていました。買った時にそういう風に説明されたので。でも、長年使っていくなかで、今では普通にガスコンロの場合と同様にフライパンで頻繁に手返しもしています。

ただし、IHクッキングヒーターではフライパンを離している間は熱量が加わらないので、具材を手返ししている時間分、フライパンをコンロに戻して熱を通す時間をちゃんと計算に入れる必要があります。